| 環境経営学会会長代理 三田和美 |
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| �機ゲ奮惻圓料覆┐覺躓，叛鑪�シフトの必要性 |
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２０００年暮れにハーグで開催されたCOP6
（第六回地球温暖化防止会議）は、京都プロトコールの実施策に関する合意形成に失敗したまま閉幕した。
翌春、再開を期待されたCOP6.5も、アメリカの反対で延期となった。
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「２０世紀の１００年間に起こった自然災害中の最大のものは、
最後の１０年に集中している。」（山本良一、文責筆者）状況を省みると、間もなく大災害が行列を作って到着するであろう事は、
想像に難くない。一説によれば、アジア大陸には１億の環境難民が、あたかもダム決壊寸前の状況でひしめいているという。
彼らが武装しないという保証は、ない。すでに要因蓄積のステップは相当進行してしまったと見るべきであり、
現実をおそれず直視する合理性（rational）の立場にたてば、環境問題はリスクの予防段階ではなくて、
破局の瀬戸際（狂牛病、口蹄疫の大発生におののくドイツ当局の表現：BBC）に達していると覚悟しなければならない。
今となっては、原因究明と責任追及を混同する「後ろ向きの情緒性」は、「共通主観」の形成とそれに基づく災害対策の
FRONTの結成に有害である。ここでは民族と人類をあげて危機に立ち向かう「前向きの情緒性（emotional）」、
即ち合理性に立脚した強い精神（Geist）とリーダーシップが求められているのである。
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国と地方自治体の責任ある関係者は、この合理的情緒性―
「環境現実主義」に立脚し、挙げて自然災害、人的災害に対する防護策の策定に取り組み、高度災害防衛社会を建設するとともに、
この方面でトップクラスの国際貢献体制を準備するべきである。其の上で、来るべき災害の程度と範囲を明確に示し続け、
より明確な国民的「共通主観」を形成し、環境保全・修復・創造に取り組む緊急の必要がある。
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「百年一剣を磨くは、何のためか。」（山本五十六）という。 今こそ答えを出そうではないか。
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| �供ネ茲襪戮�災厄の一つのパターン |
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| 問題は6500万年前、巨大隕石落下によってひき起こされた地球規模の
災害によって恐竜が絶滅したように、「大きな災害」がきっかけとなって、人類が破滅への下降スパイラルに捕らえられ、
逃れる術を失うことである。 |
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| 世界の科学者の描くシナリオは様々であり、
それぞれのメルクマールに注目しているが、私がもっとも重視しているのは、世界の大洋を一巡する大洋海流
（Grand Stream、Ocean Current とも云う。）に起きる異変である（Wallace S.Broecker）。
偶然に発見され‘９７年に発表されたこの大洋海流は、北大西洋グリーンランド沖で冷やされ、
結氷によって塩分濃度が高まり、比重の増した海水が滝のように降下して深層海流となって南大西洋に流出し、
インド洋、南太平洋を経由して北太平洋でようやく上昇して一転帰路に向かい、暖流となって大西洋を北上し、
ヨーロッパに暖かい気候をもたらしているものである。そのエンジンは、グリーンランド沖の海水冷却と
結氷・塩分濃度の著増による下降流であるが、２０００年のNASAの発表によれば、グリーンランドの氷冠が
とけだして大量の真水を海水に供給しているということであり、これは大洋海流 のエンジンを不調にしかねないもの
である。加えて、南極大陸の棚氷に深刻な亀裂が見受けられるという、同じくNASAによる観測結果があり、
もし大量の氷塊が巨大な氷山群となって比較的狭いアフリカ大陸と南極大陸のあいだの海を被うということになれば、
暖かい上層海流の流れを阻害することになり、ヨーロッパ大陸の寒冷化は不可避となる。
これはただちに深刻かつ大規模な食糧危機として人類に降りかかってくるであろう。
ただし問題はそれに留まらない。.現在、南極大陸の降雪量と融氷量は、ほぼバランスがとれた状態にあり、
量として棚氷の崩壊分を供給するほどのものではない。したがってアフリカ大陸南端から北に向かう
上層海流の邪魔をする氷山の群れは、数年で解けてなくなり、その時点でイッキに温暖化が進行し、
先の寒冷化によってダメージをうけた大西洋沿岸諸国は、リバウンド効果によって永久に不毛の地とならざるをえない。 |
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| 云うまでもなく、その影響は全世界に及ぶ。まさに人類絶滅の危機である。 |
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| ところが前門の虎には、後門の狼がひかえている。 |
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| グリーンランド東部のノルウエー領スヴァルヴァル諸島は、
人影一人見当たらない一面白銀の世界である。ここに住むホッキョクグマについて、この数年間個体数の減少と
体位の矮小化傾向がみられるところから、原因を調査したところ、体脂肪に多量のPCB、ＤＤＴほかの人工有機化学物質が
含まれていることがわかった（シーア・コルボーン）。通常、人影のない、一見純粋無垢の、物音ひとつしない世界の
出来事である。感覚的には信じがたいことではあるが、このような地球の隅々にまで人工化学物質汚染はひろまっているのである。
アメリカにおいて、新たに発ガン物質そのものであると指定されたダイオキシンを筆頭に、ヒトの内分泌系ひいては
DNAに攻撃をくわえる物質が、地球を覆い尽くしているのである。 |
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| グリーンランド東部のノルウエー領スヴァルヴァル諸島は、
人影一人見当たらない一面白銀の世界である。ここに住むホッキョクグマについて、この数年間個体数の減少と体位の
矮小化傾向がみられるところから、原因を調査したところ、体脂肪に多量のPCB、ＤＤＴほかの人工有機化学物質が
含まれていることがわかった（シーア・コルボーン）。通常、人影のない、一見純粋無垢の、物音ひとつしない
世界の出来事である。感覚的には信じがたいことではあるが、このような地球の隅々にまで人工化学物質汚染は
ひろまっているのである。アメリカにおいて、新たに発ガン物質そのものであると指定されたダイオキシンを筆頭に、
ヒトの内分泌系ひいてはDNAに攻撃をくわえる物質が、地球を覆い尽くしているのである。 |
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| もし、生物種の総計が8千万種と推計されている（最大値）と
おりであるとするならば、それは現在までに発見されている数の１０倍以上である。
DNAの異変が８千万サイトに起きる可能性があり、その大半が生物種としての特定さえ受けていないことを考えると、
DNA異変の集積による重層災害（二次災害、三次災害等のコンプレックス）のリスク回避は、ほとんど不可能に近い。 |
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| ヒトは遺伝子の船ではない。個々の遺伝子がヒトのすべてを決定する
わけではない（中村桂子参照）。しかし、おそらくは遺伝子操作技術の発達をトリガーとするDNAの暴走と
その制御不可能性も、また、否定することはできないだろう。なぜならば、すでに世界で６１億をこえた急激な
人口爆発は、それ自身暴走以外のなにものでもなく、未だそれを自己規制する方法を人類は持っていない。
これがDNAシステムによる情報処理の結果だとするならば、DNAが、その宿主たるヒトを種として滅亡させるべく
暴走する可能性を誰が否定し得ようか。人類はそれをコントロールする術を、今日にいたるもなお、見つけ出せないでいる。 |
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| �掘ァ崚�学と生命科学の共進化」時代の論理 |
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| 人類は、いまだかつてない危機に直面している。
基本テーマは「種としての人類の絶滅」という、生物学的課題への対処である。古くアリストテレスは、
人間の知的活動を「観照」、「実践」、「制作」の三つに分類して論じているが、これは「応用哲学」の「理念」、
「エネルギー」、「科学」に対応し、経営学の「リーダーシップ論」、「文化論」、「技術論」として展開する。 |
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| なお、「応用哲学」とは書斎を出た哲学、即ち社会科学、
人文科学、自然科学（人工物工学）を含むすべての系にある応用科学が「善意の科学」（吉川弘之）、
私流に申せばSCIENCE for SUSTAINABILITYとして成立するための、応用倫理学を土台とする共通原理追求の思索を指す。
本稿では２１世紀における生命系諸科学の発展が、哲学倫理学におよぼす大いなる影響の予感に戦きつつ、
生物の定義に仮託して論を進めることにするならば、我々はまず、三つの認識を統一的に考慮にいれるところから
始めなければならない。即ち |
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| �� 個の確立における多様性と共通性のholisticな関係 |
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| �� 物質とエネルギーの循環的運動 |
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| �� 自己創出におけるevolution-development即ち「進化」（progressと区別された） |
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| である。 |
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| そもそも地球は自転している。人間は、静止しているつもりでも、実は不思議の国のトムキンス（G.ガモフ）がなげたボールのように、２４時間で地球を一回りして帰ってくる。そのスピードは赤道上で時速約１６００キロに達する。更に地球は公転し、宇宙は膨張を続けている。時間の流れの中で、この世に不動のものなど、何一つないのだ。 |
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| そして、時間もゆらぐ。 |
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| さまざまな自然条件に適応するための「進化」の結果である生物多様性は、時間とともに地球上の全生物に共通するただ一つのメカニズム・DNA(RNA)方式によって再生産される。しかし再生産の過程において時を追って「突然変異」による多様性を生み出すのは、個々のDNAの働きである。ものの考え方において多様性は無数の主観であり、ゆえに一つ一つをとってみれば数式になじまないものではあるが、それはまた時間的空間的範囲内において共通性を持ち、客観となる。 |
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| 生物はエサを食べ排泄を行うが、何を取り入れ、なにを廃棄物とするかは主観である。ある種にとっての廃棄物は、別な種のご馳走となって食膳にのぼる。即ち、種ごとに共通な主観がある。このような回転運動即ち循環は、自然生態系にあっては、時間につれて原則とぎれることはない。代謝は生物にとって一つの共通性であり、客観である。（物質代謝の働きのないDNAが皮をかぶっただけのウイルスは、情報が物質的活性化の手がかりを持たなくては現実的価値をもたないように、単独では生物としての価値がない。あえて牽強付会すれば「ITウイルス説」に行きつく。） |
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文学に比喩を求めれば、たとえば平家物語においては
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。」
「禍福はあざなえる縄の如し。」
という。このセリフが唯一東洋的諦観の所産でないことは、それが
「万物流転」（Alles Friest）
との古代ギリシャ哲学以来の観念
「歴史は繰り返す。（一度目は悲劇として、二度目は茶番として）」
とする、近代西洋哲学の命題に呼応することによって明らかである。
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